図面には載らない「淀みのない流れ」を、設計する。
2026年 02月24日
「忙しい」の正体を、探しにいく。
朝、工場の扉を開けて、コンプレッサーの唸り声を聞きながら、ふと思うことはありませんか。
「責任者」という新しい名刺を手にしてから、なんだか昨日よりも、心休まる時間が減ってしまったのではないか。引き継ぎらしい引き継ぎもないまま、ただ「やるべきこと」の波に飲み込まれて、気づけば一日が終わっている……。
もし、あなたが今そんな風に感じているとしたら、それは決してあなたの能力のせいではないと、思うんです。
01:その忙しさは、どこへ向かっているのでしょうか。
「自分が動いたほうが早いな」
ふと、そんな風に思って現場の列に加わってしまうことはありませんか? 誰よりも現場を知っているあなただからこそ、もどかしくなって、つい手が動いてしまう。その瞬間のあなたは、現場にとって誰よりも「頼もしい存在」です。
でも、少しだけ不思議に思うんです。
あなたがヒーローとして輝くたびに、もしかしたら周りの人たちが「自分で考えるチャンス」を、そっと手放してしまってはいないでしょうか。あなたの流す汗が、いつの間にか組織が成長するための「細い管(くだ)」を、さらに細くしてしまっていないか。そんな視点で、今の忙しさを見つめてみることはできるでしょうか。
今日、あなたが割り込んだ作業を一つだけメモしてください。それが、今の工場の「詰まり」の場所です。
※メモは「ホワイトボード」の端か「共有ノート」に集めましょう。書き留める場所が、改善の起点になります。
02:もし、あなたが現場に駆けつけているとしたら。
人が足りない時、納期が迫る時。あなたが真っ先に袖をまくる姿は、本当に「現場にとって救いになる」ものです。それは現場を愛する人だけにできる、一番の誠実さですよね。
緊急時に助けることを否定したいわけではありません。ただ、その「助ける」が常態にならない流れを、一緒に作りたいんです。
あなたの流す汗を、ただ消えていく労働ではなく、二度と同じ火が起きないための「未来への投資」に変えていく。そんな風に考えることができたら、今の忙しさは、少しだけ違う色に見えてきませんか?
現場で火種が出たら、「①何待ち?」「②誰待ち?」「③何が不明?」の3つだけ記録に残してください。
※これもホワイトボードや共有ノートへ。この「3つの問い」が、再発防止の設計図になります。
03:図面にない、段取りを設計する。
管理職の本当の仕事って、実は「図面には載っていない、組織という精密機械の呼吸を整えること」なのかもしれません。
言葉の行き違いという「詰まり」を取り除き、経験という「潤滑油」を、一番必要としている場所にそっと注ぐ。誰か一人の特別な才能に頼らなくても、みんなが「あぁ、今日はやりやすかったな」と思えるような、目に見えない流れを整える「段取りの設計者」になること。
「代わりの誰か」として座ったその椅子を、あなたにしか描けない「新しい設計図」を広げる場所に変えてみませんか。
あなたが目の前の作業を少しずつ仕組みへと譲り渡し、この「淀みのない流れ」を作る設計に徹したとき、工場は、あなたという新しい息吹を得て、もっと自由に動き出すはずですから。
今週は「迷い」を一つだけ削りましょう。「指示書の一行」「工具の置き場所」「検査の基準」のどれか一つだけでいいんです。
ホワイトボードにメモが溜まってきたら、次に迷うのは「どれから潰すか」です。
工場の数だけ、正しいリーダーの形があります。
まずはあなたの現場で、この『小さな一歩』を試してみてください。
もし、あなたの現場に合わせた『専用の設計図』が必要になったときは、いつでも声をかけてくださいね。